プロローグ1

技術は進歩していく。
人々の好奇心と欲望に後押しされ、日々新しい技術が生み出されていく。
しかしその技術はどれほど人々の幸せに役だっているだろうか?
自分には新しい技術が人々の不幸を増やしているようにしか思えない、
しかし聡明なあなたはこう言うだろう。
「幸せにするか不幸にするかは使う人次第」
ご明察。その通り。

それでは、
400年昔の江戸時代の人々より、
現代の東京の人々の方が幸せなのか?
アフリカのサバンナに住む人々より、
日本に住む人々よりの方が幸せなのか?
きっとそんな簡単には線引き出来ないだろう。

ここからは持論だけど。
誰かの幸せは必ず誰かを悲しくさせてしまうからだ。
つまり幸せと利便性を求めて生まれた新技術は、
ささやかな幸福とともに悲しみと憎しみを同時に生んでしまうのだ。
なぜならば使うのは人々なのだから。